木本桂春

今年の山行計画にと決めていたが、この夏の暑さには登行欲がわかない。涼しさの秋が来た、気力を呼び戻して、朝日岳に向かう。
3連休を避けて、1日前に出て、登頂後すぐに下ることにする。
 
雨の北又小屋を未明から歩き出す。辛いイブリ尾根を5合目へ。

        
ナナカマドとオオカメノキの赤い実の秋。雨止み、雨具脱ぐ。
        

7合目付近に咲く、オニシオガマ
       

10合目・イブリ山から剱岳と毛勝三山。鞍部に見えるのは大日岳。右方向の越中駒ヶ岳は雲の中。


眼前に草紅葉の朝日岳

        
夕日ヶ原のイワキキョウ


同じくミヤマリンドウ

         
朝日小屋を通過して歩き始めて9時間頂上へ、雷鳥親子が4羽散歩で迎えてくれた。
         
         
雷鳥の子です、親の3分の1ぐらい。


        
頂上近傍の某所にある山友の墓に手を合せ、
「やっと来たよ」と語り合う。
    
         
下山中に見た、夏の名残のハクサンフウロ
         

朝日平の木道と朝日小屋
小屋に泊、小屋で働く昔の山仲間と久々に湯のみ酒で山を語る。


翌朝、雨風の中を下山。今朝も雷鳥に出合う。
         

夕日ヶ原の濃いトリカブト
         
道はジャブジャブの川となり、急な箇所で恐れていたスリップ2度。いやというほど歩かされ、北又小屋へ。

低山徘徊を続ける老残に頑張りの残り火があった。

「廃用症候群」という言葉を知った。人間の身体的・精神的機能は使わなければどんどん衰えていく、その衰えは老いてはさらに加速され起こるという。山登りを続けようとするには、この「廃用症候群」と闘ってそれなりの体力維持が必要という。
納得のいくまで頑張りたいものだ。