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駒のつく神社を訪ねる(7)~浅草寺・駒形堂 [日々散策]

北村健治

 台東区に駒形、墨田区に東駒形の町名があり、境を流れる隅田川には昔の船着場、渡船場「駒形の渡し」に代わって隅田川十三橋の一つ「駒形橋」〔1929(昭和4年)架創:長さ146.27m、幅25.2mの鋼橋で戦後に改修された〕が架かっている。

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駒形橋の由来記(駒形堂の前にある)

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駒形橋西詰北側(「こまがたはし」とある)

 この橋の西詰北側〔雷門二丁目駒形公園内〕に堤防を背にして西向きに立派な「駒形堂」が建てられている。

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浅草寺駒形堂

 西詰南側の歩道脇には江戸期の駒形界隈の情景を描いたレリーフや由来記がある。

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駒形橋西詰南側

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駒形堂の由来記

 駒形(こまがた):寛文(1640年代)江戸図には「こまがた丁」と記されていること、馬頭観世音像を納めた駒形堂による。①川面から見える堂の形が「駒が駆けているように見えた」ことにより「駒かけ」が「駒がた」に転化した(江戸名所記)、②寄進された絵馬を掛ける駒掛け堂の駒掛けから駒がたに転化した(燕石雑記)、③箱根から駒形神を勧請したお堂である(地名辞書)の三説がある。また、初代広重は吉原遊女の恋慕の句「君はいま駒形あたりほととぎず」に因み、「名所江戸百景」に駒形堂の空にホトトギスを配している。

 駒形堂、駒形橋への交通の最寄り駅は、浅草寺玄関である東武浅草駅から5分、地下鉄銀座線・浅草線浅草(雷門)駅から2~3分、駒形橋北詰交差点を一巡りしても、20~30分もあれば回れる。駒形公園:駒形堂境内には、わずかな植樹もあり、句碑・記念碑(由来記)などもいくつか保存されている。

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駒形公園に駒形堂はある

 地名としての駒形は、江戸期から明治初年まで駒形町が使われ(町方書上)、1868(明治元)年東京府、1872(明治5)年浅草駒形町となり(府志料)、1878(明治11)年浅草区に所属、1934(昭和9)年以来浅草駒形1・2丁目、1947(昭和22)年台東区に所属浅草駒形、1964(昭和39)年以降駒形1・2丁目となる。東駒形は町名として1947(昭和22)年本所区に、1966(昭和41)年台東区に所属し、東駒形1・2・3・4丁目としても使われ、またバス停や首都高速道インター、パーキングなどにも広く使われている。老舗「駒形どぜう」もある。

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地下鉄出口案内板にも駒・馬の文字

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案内地図にも駒の字が読める

 参考資料:『角川日本地名大辞典13 東京都』角川書店(1953年)
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