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駒のつく神社を訪ねる(9)~調布市佐須町・虎狛(こはく)神社(別名虎柏神社)                  [日々散策]

北村健治

 創建は589(崇峻天皇2)年8月とされるが、天平勝宝年間との異説がある。多摩川流域で最も古くから拓かれた地域として、1873(明治6)年旧郷社の中でも佐須地区総鎮守であった。狛江郷(狛江・調布)に、住居を定めた渡来系高麗人の集落神として祀られた古社と推定されている。907(延喜7)年撰上の延喜式神名帳に武蔵国多摩郡八座の一座として記載されている「虎柏神社(こはくじんじゃ)」の「柏」の字が「狛」の字の誤記であるという説によって、当社が式内社(論社)となっている。同名社が青梅市根ヶ布にあるが、関係が定かでない。
 また、「深大寺縁起」によれば、深大寺(733)の開祖・満功上人の祖父の右近長者の居住地・柏野里と祖母虎女、それぞれの名から虎柏明神と名付けられたという。後世衰微して神体もなくなった時代があり、祭祀も毎年8月15日に行なってい廃絶して、その後地頭の寄附により9月13日に神楽を執行し、村内祇園寺が別当となり江戸時代を迎えた。江戸時代までの旧別当・虎狛山日光院祇園寺〔佐須町〕から、明治の分離令によって分離独立して、1873(明治6)年12月には旧郷社に列格している。
 いずれにしても、奈良時代以前の渡来人の居住地であった、狛江郷一帯の史蹟資料からの総合的な判断では、5世紀後半から6世紀にはかなり高度な寺社絡みの土木・建設・建築技術や農業技能を中心とする高水準の民俗文化が朝鮮半島から多摩川中下流域に持ち込まれていたことを物語る、興味深い神社である。現在の本務社は狛江市伊豆美神社である。
 祭神は農業の神様である大歳御祖神(オオトシミオヤノカミ)がお祀りされて祭事が始まったとされる。後に穀物の神様である倉稲魂命(ウカノミタマノミコト)も合祀された。

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①大鳥居

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②参道奥に社殿を望む(社務所前の巨石碑⑤)
 
 現存する本社殿は、1683(天和3)年12月に再建されたもので、調布市、狛江市では最も古い建造物の一つである。江戸時代初期の高度な建築技法をよくとどめた建造物であり、建築形式は一間社流造りの見世棚造りと呼ばれるもので正面と側面に擬宝珠高欄付きの切目縁をめぐらせ向拝には五段の木階と浜縁が設けられている。拝殿上部には細やかな美しい造形の虎や獅子が彫られている。本殿屋根も当初茅葺であったが銅板葺きに改修した。願主は貫井三良右衛門、新右衛門、牛込の大工柏崎佐太郎などによるとの三枚の棟札があり、1815(文化12)年に地元の大工によって修復されたことも分かっている。大正時代以降修築されず、痛みが酷く荒れた時期もあったが、2012(平成24)年3月調布市の文化財指定を受けて、2014(平成26)年に改修整備が行われた。文化財指定の本殿は覆殿の中に保存されている。

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③枯れたクロマツの巨木の切り株?

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④拝殿の奥に本殿(覆屋の中)

 なお、境内には「江戸名所図会」にも取り上げられていたほどの古くから知られていた、「虎狛神社のクロマツ」の巨木があった。都内でも有数のクロマツの大木で1964(昭和39)年に東京都の天然記念物に指定され、推定樹齢300年以上で灰黒色を呈した樹皮の一部に大きな裂け目が一直線に入っており、樹高28メートル、幹まわり4.45メートル、大きな傘状の枝張りは8メートルとの記録(1993)がある。都内の三巨松に数えられて、永くよく保存されていた御神木であったが、落雷や松くい虫の被害に遭って衰弱し、1996(平成8)年の枯死したため、1999(平成11)年に天然記念物指定を解除されている。

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⑤巨石の「狛江郷須佐邨虎狛神社之碑」

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⑥鈴のある拝殿

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⑦境内を埋める広葉樹の木立

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⑧富士山・講社登山記念碑(6回の登山記録)

 境内には、拝殿前に「邨虎狛神社の碑」の巨石が建っている。その他日清戦争の「征清従軍碑」、富士山の「講社登山記念碑」1921(大正10)年などがある。
 祭  日:10月10日
 交  通:京王線布田駅から徒歩15~18分。
      京王線調布駅からJR吉祥寺駅行きバス、佐須下車約3分。
      京王線調布駅から36・37系統バスで、虎狛神社前下車。
 参考資料:『新編武蔵風土記稿』、『調布市誌』や『ウィキペディア』による。
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富山スナップ [登山報告]

たかみつ たみこ

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季節外れの紅葉

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落ち葉をサクサク踏みながら歩く道

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展望台の案内図

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頂上にて
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南総富山(とみさん) [登山報告]

谷 和代

1月15日、企画委員会主催行事で千葉県の富山(とみさん)に出かけました。

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岩井駅の陸橋からの富山
双耳峰です。

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伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)
籠窟(ろうくつ)とも。
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伏姫籠穴の前で

 滝沢馬琴が28年をかけて創作した「南総里見八犬伝」はNHKの人形劇で見た方もいらしゃるのではないでしょうか?
 仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌 の文字の刻まれた玉を持ち、犬の字を含む苗字の八剣士を巡る話。
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